保育園の給食室内で働いている私たちは、正社員であってもパートであってもみんなお金を頂いて「仕事」をしています。保護者や、園児から見たらみんな給食の先生なのです。
本来であれば、与えられた仕事をすべて行うことが基本であり、どんな仕事でもしっかり責任もって行うことが望まれます。まあ、社会人としての基本ですね。
ところが残念ながら中には「仕事を選ぶ傾向」にある人もいます。
仕事を選ぶとは?
ここでいう「仕事を選ぶ」とは、求職活動のことではありません。
「この仕事がしたい!」
「これはやりたくない(から誰かがやってくれるまで待っていよう)」
と、自分のやりたい仕事は積極的に行うが、自分のやりたくない仕事は手を出さない人のことを指します。
保育園の給食室は、閉鎖的な空間でもあるため、一緒にその場で働いている人でないと内情がわかりづらいという欠点もあります。
私たち調理師の直接の上司は責任者である栄養士になりますので、栄養士がしっかりした人であれば相談に乗ってもらうことも可能です。
ちなみに、おやっさん の勤務先の園の栄養士はとっても頼りになる人ですので、困ったことは相談に乗ってもらっています。
給食室内での人気の仕事
- 調理
- おやつ作り
基本調理が好きで勤務を始めた人の集まりですので、この仕事が好きな人が多いのは当たり前といえば当たり前です。
しかし、調理そのものは主菜・副菜・主食、汁物とローテーションでおこなっているのでみんなが平等に仕事をしているのですが、おやつ作りに関しては短時間のパートさんが「我先に作るぞ!!」という感じになっています。
給食室内で不人気の仕事
この仕事は、みんなが自ら行う仕事ではありません。こちらから「指示しないとやってもらえない仕事」です。
私は立場上、掃除の指示しないといけない立場です。何も言わないと私自身ですべての箇所を掃除しなくてはならなくなります。
しかし、みんなが嫌がる仕事を指示してやってもらうことも言い出しづらいです。
でも、何も言わないと放置されがちな仕事…
- 中には、自分から「どこか掃除しようか?」と言ってくれる人もいます。
- 黙っていてもやれる範囲で掃除をしてくれる人もいます。
でも、最後の最後まで後回しにされがちな仕事なのです…。
本当は仕事を選んではいけない!
保育園の給食室での仕事と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?
- 給食・おやつを作る人
- 子どもたちとかかわり合いになれる仕事
- 日曜祝日が休みの仕事
- 日勤のみの仕事だから子育てと両立しやすい
- 資格がなくても働くことができる
良いところを拾い集めれば、このようなイメージですね。
上記のことも全て間違ってはいないことですが、
- 子どもたちへの食事の配膳・下膳後の片付け
- 子どもたちの食の様子の把握
- アレルギー児の把握
- 離乳食児の把握
- 調理室内の清掃
- 食材の検収作業
- 業者納品分以外の食材の買い出し
- 衛生用品や消耗品の管理
- 行事食の打ち合わせ
など、園児や保護者からは見られていない部分での影の作業も少なくありません。
(今回は、調理員としての立場での記事です。責任者の栄養士ともなると、さらに献立作成や発注業務や園児の体格管理などなどもっと多くの仕事があります。)
保育園の調理師や調理員は、少なくとも上記黄色枠の仕事を行わなくてはなりません。
良い点ばかりではなく、みんなが嫌がるような片付けや掃除などの仕事であっても、調理員の仕事の一部であることには間違いありませんので、後回しにしたり他の人に任せることが無いようにしなければなりません。
働くみんなが同じようにまんべんなく仕事ができるようにするために
ひとりの人が「仕事を選んで行動」をしてしまうと、他の人はその仕事を行うことができなくなります。
仕事を選んでいる人は楽しく仕事をすることができるかもしれませんが、その他の人は残った仕事をすることになるので、徐々に不公平感がたまってきます。場合によっては、身勝手な人が一人いるために他の職員が辞めてしまうことにつながってしまうこともあります。
ですので、仕事は交代で行うことができるようにしっかりとした役割分担ができるようにしておくことが必要です。
- ローテーション表を作り、すべての職員が役割を目で確認できるようにする。
- 入職時に責任者からしっかりとした「給食室内での自分の立ち位置」を明確にしてもらう。(調理なのか補助なのかによっても役割が異なるため)
- 身勝手な仕事をしている人に対しての指導を徹底する。
- 定期的に研修を行い、職員に一つ一つの仕事の大切さを再認識させる。
さいごに
みんながやりたがらない仕事が後回しになってしまいがちなのは、私の指導不足もあったと思いますが、なかなか思うようにはならないことが現状です。
特に午後の時間は、段取り良く行えば間に合うことも、仕事の偏りが原因で間に合わないこともしばしばあったりしたため、遅くとも来年度からはしっかりローテーションを決めて全員が段取り良く仕事を行えるように体勢を立て直していきたいと思っています。