年度が切り替わるこの季節。
保育園給食の仕事のひとつ、「給食だよりを書く」ことにも頭を悩ませています。
4月のおたよりは書く内容に困る
ここだけの話(?)保育園での配布物は、月始めに配布が間に合うように前月末までに完成させることが多いのです。
卒園が終わり、入園・進級式を終え、園児の入れ替わり後のおたよりになるため、在園児の家庭に対してのおたよりではなく、(給食職員は)まだ見ぬ新入園児のご家庭にも読んでもらえるおたよりを作っていく必要があります。
4月にはどんな内容の給食だよりが良いのか?
給食職員のあいさつ
年度初めですので、園内では「初めまして」の人もいます。
- どんな人が給食を作っているのか?
- どんな思いを持って仕事をしているのか?
- どの様な活動を目指しているのか?
などを知ってもらうことができます。
給食職員が一人一言ずつ自分の言葉であいさつをのせることで、さらに思いが伝わるものになるかもしれませんね。
保育園の方針としてどんな給食を提供してゆくのか?
- どの様な食器を使用しているのか(形、材質などのこだわり)
- 食に対するマナーをどう保育に取り入れていくのか
- 献立内容のこだわり(和食中心や一汁三菜を心がけているなど)
- (幼児以上は)主食は家庭からの持ち込みなのか園で炊くのか?またその理由
朝食の大切さ
「朝ごはんをしっかり食べよう」と訴えることも良いと思います。保育園児の朝食欠食はあまりないとは思いますが、その保護者世代は意外とありがちなのです。
く食の大切さを子どもにはもちろん、保護者に向けた内容でわかりやすく簡単に書くことができると良いですね。
簡単にできる朝食レシピ
子どもが喜んで食べることのできる朝食レシピは、忙しい朝に大変喜ばれるものです。
栄養バランスはもちろんですが、洗い物の皿数が少なくて済むようなものも良いと思います。パンに何かをのせてトーストするものでも良し、簡単おいしいおにぎりの紹介でも良いと思います。
季節の食材を使った簡単レシピ
簡単にできるレシピは保護者に喜ばれます。おかずの1品になるものでも良いですし、もちろん主菜でも!
休みの日に簡単に作ることのできるお菓子のレシピも人気があったりします。
【4月の食材】
- 春キャベツ
- いちご
- 新じゃがいも
- 新玉ねぎ
- ブロッコリー
- しいたけ
- かつお などなど
旬の食材を組み合わせたレシピも魅力的ですね。
おたよりの内容でNGなもの
では反対に、年度初めのおたよりで書かないほうが良い内容のは何か考えてみたいと思います。
前年度の子どもたちの様子
「1年前は小さかったお友達も、心も体も大きくなりましたね。」
と書かれても、新入園の保護者からすると
「1年前はいないし…」
と、とらえられてしまうかもしれません。
どうしても成長の様子を書きたいのであれば、新入園の子にも一言添えて書いてあげたほうが良いでしょう。
新入園児、在園児双方に訴えかけるような書き方をするべきですね。
朝ごはんはこうであるべき!!と押し付ける
4月のおたより内容の項目に、「朝食の大切さ」と入れましたが、押し付けるような書き方にならないようにしたい項目です。朝食を摂ることで、
- 朝食は1日の活力の源
- 朝食を摂ることで、体がしっかり目覚める
- 集中力が高まる
- イライラしなくなる
- 排便のリズムがつく
- 体温が上昇し、活動的になる
など,様々な良いことがあるのですが、これらのことをおたよりに書くことは悪くありません。ですが、
- 朝食は「栄養バランスをしっかり考えて‥‥」
- 最低4品以上は準備して‥‥
- 30品目を意識しましょう
- パンよりご飯を食べさせて!
なんて書かれていたら、保護者にしてみればプレッシャーでしかなくなります。
給食だよりを読んで嫌な気持ちにはなってもらいたくありません。
ですので、朝食を食べることの大切さを記事にするのであれば、とりあえず朝食を食べてもらうことを前面に出した記事にすると良いでしょう。朝食の内容は自由で良いと思います。
とりあえずは朝食としておにぎり1個でも、パン一口でも口にすることが大切なのですからね。
とにかく栄養学で埋める
4月のおたよりは書くことがなくて‥‥と、いうことで
「とりあえず栄養のことでも書いていけばいいか!」
と考えることもあるかもしれません。ですが、おたよりを読む側として考えると、よほど栄養に関心のある人か好きな人でもない限り、残念ながら見慣れない並びのカタカナが並んだおたよりは読みたいとは思いません。
年度初めの4月号からそういうおたよりを発行してしまうと、そのあとの5月号6月号も「そういうおたよりなんだ~」という先入観から、良くて斜め読み、最悪はそのままごみ箱‥‥なんてことにもなりかねません。
ですので、年度初めのおたよりである4月号から、小難しい専門用語だらけの栄養の話はあまりお勧めできません。
上から目線の説明
先の2つの項目とも重なりますが、小難しい用語を並べて「こうしてください」というように上から物を言われている感覚になってしまうおたよりも、読み手にとって気持ちよく読めるものではありませんね。読み手は園児の保護者です。保育園を利用してくれているお客さん的立場でもあります。
食にまつわる知識は保護者より給食職員の方がありますし、あって当たり前です。ですが、上から物を言うような表現になってしまうことのないように記事を作っていかなければなりません。
「教えてあげる」ではなく、「伝える」を意識することで文章を作りやすくなると思います。
さいごに
年度初めのおたより…新入園児の保護者にとっては初めての給食だよりになります。5月号からも読んでもらえるおたよりになるかどうかは、4月号にかかっていると言っても過言ではありません。
給食職員の中には初めて「おたよりを作る」人もいると思います。
今回書いたことはほんの一例にしか過ぎませんが、読み手の気持ちに立って楽しいおたよりを作ることができると良いですね。