今日は、食物アレルギーについての講習会に行ってきました。
日本でも有名なこども病院主催の講習で、講師もこども病院の現役医師によるものでした。
今回は食物アレルギーについて勉強してきたことを自分なりにまとめて書いていきたいと思います。
目次
- 食物アレルギーとは
- アレルギーの原因食物
- 食物アレルギーの多い年齢
- 食物アレルギーの予後
- 食物アレルギーの症状
- 食物アレルギーの診断
- 食物アレルギーの治療
- 除去食解除に向けて
- 食事以外での配慮
- 最後に
食物アレルギーとは
アレルギーの中で、食べたものが原因で起きるものを食物アレルギーと言い、原因食物をアレルゲンと言います。
アレルギー
体にとって不利益な免疫反応のことです。
免疫反応
外から侵入してくる異物を排除するために体が起こす反応。
アレルギーの原因食物
多い順に、鶏卵・牛乳・小麦粉・ピーナッツ・果物・魚卵・甲殻類などがあり、上位3種で全体の7割を占めています。
食物アレルギーの多い年齢
0歳児が最も多く、以後だんだん右肩下がり状態に減っていきます。
食物アレルギーの予後
乳幼児期に発症した食物アレルギー、特に卵・牛乳・大豆アレルギーは、年齢が大きくなるにつれ軽快することが多いです。大体、5~6歳ごろまでに食べることができるようになります。
ただ、年長児で発症したそば・魚・エビ・カニなどのアレルギーは治りにくいようです。
食物アレルギーの症状
即時型反応
食後2時間以内に症状が出ます。
症状
皮膚症状 発疹・かゆみ
眼症状 結膜の充血・腫れ・流涙
口腔症状 唇の腫れ・口腔粘液の違和感
ここから下の症状が出る場合は要注意です
呼吸器症状 咽頭の違和感・咳・声がれ
喘鳴・呼吸困難
消化器症状 強い腹痛・吐き気
嘔吐・下痢
神経症状 頭痛・意識障害
元気がなくなる
循環器症状 血圧低下・心拍の異常
手足が冷たくなる・顔面蒼白
即時型は重症化するとアナフィラキシーをきたします
アナフィラキシーとは
複数の臓器に強い即時型反応をきたし、生命の危機につながりかねない状態になってしまうことです。
全身の皮膚症状、または粘膜症状に、呼吸器症状・循環器症状、持続する嘔吐や腹痛を伴った時アナフィラキシーを疑います。
即時型反応を起こしてしまったら
指示されている内服薬があれば服用します。
呼吸器症状・循環器症状を伴うアナフィラキシーの場合には、救急車をよび病院を受診します。この際、エピペンを所持している患者の場合には、迷わずに使用します。
エピペンとは
アドレナリンの自己注射です。5分位以内に効果が認められ、約20分間有効です。
非即時型反応
数時間から数日たってから症状が現れます。この場合には、原因食材の追及が困難になります。
食物アレルギーの診断
記録
何を食べてどんな症状が出たかについての問診が重要です。診察の際、わかりやすく医師に伝えるためにも、食事日記をつけると良いですね。
園や学校に通う子の場合には、給食の献立も使用する場合があります。
血液検査
特異的ige抗体など。
数値の評価は専門的な知識が必要になります。
ただ、検査の結果が症状と一致するとは限りません。
皮膚テスト
プリックテスト・スクラッチテストなど。
経口負荷試験
外来または日帰り入院にて医師・看護師見守りのもと、0.5g~1g単位で実際にアレルギー食材を食べてみて症状が出るか出ないかを確認します。症状が出た時点で試験は終了し、必要な処置を施します。
食物アレルギーの治療
除去食療法を行うことが多いです。除去食は栄養が偏りがちになるので、時として栄養士からの指導が必要となります。
保育所や学校の給食での除去食対応のためには、管理指導票が必要になります。
小学校高学年くらいになってもアナフィラキシーを起こす食材がある場合には、経口減感療法を行う場合もあります。
管理指導票
かかりつけ医に記入してもらいます。状態の変化がなくても毎年提出しなければなりません。自宅にてアレルギー食材の除去を完全に解除できるまでは、給食では完全除去をします。
除去食解除に向けて
半年~1年ごとに血液検査などを行いながら症状の経過を見ます。必要に応じて負荷試験も行います。
アレルギー食材であっても少量の摂取が可能と判断された場合には、自宅にて少量摂取を継続し、徐々に増量して摂取することもあります。自己判断はしないで、医師の指示に従って行いましょう。
食事以外での配慮
小麦粉粘土(小麦アレルギー)
クッキング
豆まき(大豆アレルギー・ピーナッツアレルギー)
園やが学校行事には、アレルギー児に配慮が必要なこともありますね。
最後に
食物アレルギーのお子さんを持つ保護者の方は本当に大変だと思います。私自身の子もミルクと卵ではっきりした症状の出るアレルギー児でした(今は問題なく食べています)
血液検査・皮膚テスト・経口負荷試験(日帰り入院)も行ったことがありますし、管理指導票も医師に書いてもらっていました。
当時は卵4gで嘔吐してしまい、給食では除去してもらっていましたが、年少になるころには除去を解除してもらえ、今ではマヨネーズたっぷりの卵サンドが大好きな子になってしまいました(笑)
我が子もそうだったからこそアレルギーの子の母親の気持ちはわかるつもりです。
幸い勤め先に園にはアレルギー児はいませんが、今後入園してきたときには親子の気持ちを汲んで、よいアドバイスができるようにしたいなと思います。