集団給食施設では、衛生上の問題から生野菜をそのまま提供することができません。
ですが、給食の献立の中にはサラダもありますし、トマトを生食で使用することもあります。果物ももちろん出します。
さてサラダや生野菜・果物はどのように提供しているのでしょう。今回はそこのところを書いていきます。
どうして給食で生野菜は控えられているのか?
大量調理をするうえで、生野菜の管理は非常に難しいです。
生野菜は性質上、必ず低温保存をしなければならない食材であるうえ、鮮度が大事なものでもあるからです。
保育園の喫食数であれば、一品(トマトのみとかオレンジのみとか…)くらいなら冷蔵庫で保存をしつつ提供も可能ですが、何千食・何万食と作っている学校の給食センター規模になると、冷蔵設備が追い付かずもはや不可能なことなのです。
安全で安心な給食提供をするためには、生野菜の提供を控えることも仕方のないことなのです。
生野菜の何が危険とされているのか?
野菜は栽培中の土壌や肥料から、微生物汚染されます。鳥や虫からの汚染などもあります。
もちろん洗浄はしますが、量も家庭とは比較にならない量ですし、食べる人数も大勢います。洗浄だけでは汚染物を除去しきれない可能性もあるのです。万一(食中毒の可能性)のことを考えると、非加熱食材は避けたいところなのです。
果物はどのように提供するのか?
では、非加熱提供である果物はどうするのでしょう?
非加熱で提供しなくてはならないものに関しては、食材そのものを消毒をします。
まずは、流水で3回洗浄後 次亜塩素酸ナトリウム(濃度100ppm)に10分漬けます。
その後、流水で10分洗い流します。
この消毒後にカットをするのですが、この段階ではもう素手で触ることはできなくなります。ここから先は清潔な手袋を使用して扱うことになります。
(素手で触ると、皮膚に付着している菌がせっかく消毒した果物についてしまうからです。
サラダはどのようにして作るのか?
基本、加熱をします。
保育園で作る多くのサラダは、キャベツやにんじん・ブロッコリーなどを使用します。これらの野菜は加熱(茹でるか蒸す)して使用できます。きゅうりなども加熱してから使用しています。(85℃以上で1分以上加熱します)
加熱後の野菜も、素手で触ることはできません。必ず手袋をつけてからの作業になります。
ドレッシングを作る調味料も加熱します
調味料も加熱してから使用します。
加熱することによって、きちんとなじみますし、殺菌にもなります。調味料を加熱することで野菜に味も入りやすいです。
ただし、酢は加熱しすぎると酸味が飛んでしまうので、注意が必要です。
(私は酢を最後に入れて加熱しています。)
加熱野菜は栄養価が低くなるのでは?
加熱(ゆでる)と水溶性のビタミンが流れ出てしまいます。ですが、全てが出てしまうわけでもありません。栄養価は生野菜よりは少なくなりますが、きちんと体内に取り込むことはできます。
野菜を多くとるには加熱が良い?
生野菜は栄養があります。しかし量をたくさん取ることは結構難しいです。
その点、加熱野菜はカサが減ることが多いので意外とたくさん食べれちゃいます。
そして、野菜のアクや臭みも抜けるので、野菜嫌いな子どもでもかなり食べやすくなります。野菜は加熱すると甘みも増しますので、おすすめの方法です。
さいごに
- 果物は消毒してからカットして提供しています。
- 保育園では、サラダ用の野菜は加熱してあります。
- ドレッシングの調味料も加熱します。
野菜は、茹でてしまった方が量もとりやすく、野菜の甘みも出るため、子どもも食べやすくなります。結果、栄養も効率的にとれます。
実は、我が家でもなるべく野菜は加熱するようになりました。
レタスは生でも食べますが、スープやチャーハンに入れてしまったりもします。日持ちもあまりしないので、残りそうになったら大量消費目的に火を通すことも少なくありません。
私の子どもたちは、しんなりしたレタスも好きです( *´艸`)