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2020年までに義務化!HACCP(ハサップ)を知っていますか?【追記アリ】

HACCP(ハサップ)という言葉を聞いたことがありますか?

1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理法です。(Hazard Analysis Critical Control Pointの略)

食品事業者が自ら食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因を把握したうえで、原材料の入荷から製品の出荷に至るまでそれらの危害要因の除去、提言させるために特に重要な工程の管理をし、製品の安全性を確保する衛生手段なのです。

 

すでに、先進国中心に義務化されている制度です。

国内では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの年に合わせて義務化される予定です。その理由は、日本の食品衛生管理の水準を世界に示す必要があるからです。

2020年までに食品を扱うすべての業種でHACCPによる衛生管理を義務化する・・・ようなのですが、2019年9月の現段階では国の基準が定まっていないのが現状であり、正直、個人で経営しているような飲食店では混乱されているのではないかと思います。

(給食業界や大手の飲食チェーンにはある程度決まったマニュアルがあり、それに基づいて営業しているため大きな混乱はないと思います。)

 

 

 

HACCPの考え方

食品の製造や加工工程のあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染、異物混入の危険性をあらかじめ分析する。

製造工程のどの段階でどういった対策をすると安心・安全な製品を提供できるのかという重要管理点を定める。

継続的に監視・記録をする。

 

以上3点によって、製品の安全を確保する衛生管理の手法です。

 

 

 

HACCP導入の趣旨

フードチェーン全体で取り組むことによって、衛生管理が「見える化」され、食品の安全性の向上に役立ちます。

フードチェーン全体とは、食品の製造はもちろんのこと、食品の販売にまで関わります。

 

そして、「調理・製造した食品の安全性に自信が持てるようにしてください」という通達でもあります。

 

7原則12手順

手順・原則

1     チームの構成(各部門の担当者)

2     製品説明作成

3     用途、対策者の確認

4     製造工程表を作る

5     製造工程図を現場で確認

6  ①  危険因子の分析

7  ②  重要管理点の決定

8  ③  管理基準の設定

9  ④  モニタリング方法の設定

10 ⑤  許容範囲逸脱時の「改善措置」の決定

11 ⑥  検証方法の設定

12 ⑦  記録と保存方法の設定

 

重要管理点

  • 管理すべき工程の決定(健康被害の発生を防止)
  • 管理基準の決定(科学に基づいて設定)
  • 管理方法の決定(殺菌温度と時間を記録)

 

管理基準を逸脱した時の対応

作業工程に問題が発生したときの、改善方法を決める。

 

 

検証と記録の保存

  • 温度計、時計などの定期的な校正、機械のメンテナンス
  • 清掃方法・頻度の見直し
  • 従業員の研修・教育
  • 各種記録の確認・保存

システム全体を検証、見直すことによってクレームがあった場合、自らの身を守ることにもつながります。

 

 

なぜ記録が必要か?

  • 衛生管理のポイントが明確にでき、記録を実施することによって、食品事故発生の未然防止ができる。
  • 事故が発生した場合でも、衛生管理を適正に行っていたことの証拠書類となる。
  • 顧客や、保健所に自信を持って説明できる。
  • 業務の改善点が見え、業務の見直し図れるため効率化につながる。

 

 

では、実際にどのような記録をおこなえばよいのか?

  • 調理過程に計測する3点温度をしっかり書面として残しておく
  • 食材の加熱時間の記録
  • 加熱後冷却するものに関しては、加熱時間・冷却開始時間・冷却終了時間・加熱時の温度・冷却時の温度を全て記録する
  • 食材を保管している場所の温度(主に冷蔵庫)、調理している場所や、検収場の温度湿度を最低でも1日に2回以上計測・記入する
  • 作業開始時間・終了時間・配膳時間の記録(下処理・調理それぞれ) 
  • インシデント報告書、解決に向けた会議資料の作成
  • 検収時の品質管理を行っている記録(検収時の室温、湿度、時間、品物の温度、賞味期限、品物の異常の有無)
  • 毎日の水質検査の記録
  • 調理員の使用するトイレの清掃状況のわかる書類(清掃チェック表など)
  • 調理場内の清掃状況のわかる書類(清掃チェック表など)
  • 調理員の健康状態が把握できる書類(衛生管理表など)
  • 調理員の衛生教育記録 各講習会受講記録、研修記録

 

これらを全て書面として残すことで、万一のことがあった時に、「しっかりとルールに基づいて管理していた」証拠にもなり、調理施設や働いている人の身を守るものとなるのです。

 

 まとめ

HACCPの取り組みについて大量調理を行う給食施設では、すでに上記のような取り組みは行われています。

大手のフードチェーンもマニュアルがしっかりしているところは、ほぼ取り組めていると思われます。

しかしながら、国の基準がまだ定まっておらず、2020年までにHACCPの制度がはっきりするのかが課題のような気がします。

 

追記:2020年1月現在、勤務先の保育園にはHACCPに関する講習会などの案内は届いていません。飲食業界を中心とした混乱が心配されます。)

 

オリンピック・パラリンピックで世界中の人に『日本の食べ物は安心・安全だよ』と胸を張って伝えられるようにしたいですからね。