以前、私が暮らしている地域に「大型の台風が直撃する」ということで市民の多くがプチパニックを起こした結果、スーパーからミネラルウォーターをはじめとする「非常食」が消えたということが起こりました。
この時は台風被害もほぼなく断水や停電もなったので良い意味で「慌て損」となりましたが、非常食は普段から準備をしているのであれば、スーパー内もそこまでの状態にはならなかったと思います。でも、これは市内の至るところで起きた実際の出来事です。
人は災害が予想されるときには、普段にない行動をとりがちになります。
普段からできる準備をしておくことで「落ち着いた判断」「荒天時に無駄な行動をしない」ようにすることができます。
今回は、災害に備えることの大切さを「食」の面から書いていきたいと思います。
災害が予測される時にはペットボトルの水は自販機含めて完売しがち
台風直撃と言われた前々日、水をケース買いしていた人が多かったのですが、前日夕方には各メーカー完売していました…。
お店によっては購入制限(一人2本までなど)をかけているところもあるようでした。
ところがこの時でも、水以外のペットボトル飲料はお茶を含めてまだまだたくさん販売されていました。ひとまずお茶やらジュースであっても、災害時の水分補給といった観点では充分です。
「とりあえず水を確保しなくては!!」という人は多いのですが、なぜペットボトルに入った水を用意するのかまで考えている人は少ないのかな?といった印象でした。
ミネラルウォーターの使い道
では、ミネラルウォーターを購入する目的は何でしょう?
まさか洗濯やトイレを流すことには使わないでしょう。
おそらく飲料水や調理用として購入すると思います。
そして何と言っても、長期保存ができるという大きなメリットがあります。
ですがちょっとだけ考えてください。いつ起こるかわからない災害時の備蓄用としてペットボトルの水を購入することは良いことですが、あらかじめ進路がわかっている台風が直撃することによる停電や断水対策として購入する場合は、ペットボトルの水だけに頼る必要もないのです。
- あらかじめ災害が起きるであろうことが予測できている
- 台風という特性上、荒天時期は長くても2~3日程度
- 台風が来るまでに準備期間がある
ことなどが理由です。
それならば、水道水を汲んでおくという方法も有効ではないでしょうか?
水道水は短期間であれば保存できます
水道水には、消毒用の塩素が決まった濃度で混ざっています。清潔な入れ物に汲み置き、直射日光の当たらない涼しいところでしたら、常温であっても3日間は日持ちします。停電等がなく、冷蔵庫が使えるようでしたら10日は日持ちします。
ただし、水道水を汲み置きする際、カルキ臭が気になるからと言って沸騰させてしまうと、折角の塩素が台無しとなり、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。なので、水道から出た水をそのまま保存してくださいね。
飲料水用でない場合の水の確保も水道水が一番手っ取り早く準備ができます。
バケツやペットボトル、浴槽に水を張ることも手段としては有名ですね。
ウォーターポットや保温できる水筒もあらかじめ準備しておきたいですね
台風が来る前に…と、飲料水や水道水をを入れておくためのウォーターポットも100円ショップで買い足していこうかと見てみると、普段は多くの種類のものが置いてあるのに、このときは売れ残りと思われるわずかな数しかありませんでした。
私は仕方なく残っているものを購入したのですが、日頃から余分に家庭内で持っているといざというときに困らないことがわかりました。
大きめの水筒や、保温の効くポットなどがあればお湯の確保もできますので、
- 乳児のミルク
- 温かい飲み物
- カップラーメン等のインスタントの調理
なども可能となります。
学校やオフィスなどで普段から使うことのできる水筒でも充分に役立ちます。いざというときには活用したいですね。
手軽に食べることができて栄養価が高い食べ物の準備
災害が予測される場合には当面の食べ物の準備も必要になります。
非常食という手もありますが、非常食も安くはないものですのであらかじめ災害が予測されている場合は、初めの1~2日分くらいは「手軽に食べることのできる食事」の準備をしておくことも有効です。
おにぎり
いつもよりお米を多く炊くことで簡単に準備することができる「災害食」です。
保存こそできませんが、多めに作っておくことでその日1日くらいは普段通り過ごすことができます。また、味付けを多彩にすることで「飽きない災害食」にもなります。
ラップに包んで作ることで、いざ避難する!といったときでも持ち運びがしやすくなりますので、すぐに食事ができない心配からは回避することができます。
バナナ
手軽に食べられて、安価で栄養価も高く乳児からお年寄りまで食べることのできるバナナは常に人気があります。
生ものですので日持ちは長くはありませんが、常温に置くことができることもあって向こう2~3日の食事の足しとしては充分です。購入しておいても邪魔にはなりませんね。
お菓子
ここまで、飲料水や食料についていろいろ書きましたが、災害食としてお菓子はとっても重要なのです。
身近で災害が起こってしまった時は、非常にストレスを感じることになります。食べるものに関してもそうですし、暮らす場所の不安やお金の不安、体調の不安など全てにおいて不安な状況になってしまいます。
食事も大切ですが、甘いものもとても大切です。
- 糖分は脳のエネルギーとしてすぐに使うことができます。
- たんぱく質、炭水化物、脂質が不足していると甘いものが欲しくなります。
- 糖分は、抗ストレスホルモン(セロトニン)の分泌を助けてくれます。
さいごに
いつ来るかわからない災害(地震など)に関しての準備は多くの人 が行っていると思います。でも、直近1~2日の食事の準備も心強いものがあると思います。
今回ご紹介したものは普段の生活からできるようなものばかりです。
古いものから食べて消費し、常に新しいストックがある状態を保つ(ローリングストック法)ことができれば、食材の管理もしやすくなりますので、賞味期限の心配もなく自然と災害に備えた1~2日分の食の確保ができますね。
ただし、本当に困っている場合は躊躇することなく災害食を利用してください。今回の記事内容は あくまで補助的な準備となりますので、普段の災害時用の準備と合わせて行うことで効果がある方法です。
最も大切なのは、普段から災害を意識した準備をしておくことであることをお忘れなく!