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保育園調理師の「食」ブログ

現役保育園調理師が簡単おやつやご飯の紹介はもちろん、子どもとできる食育活動の紹介もしています。「食」にまつわることの多くを書き綴っていきます。

給食調理の最大戦力「スチコン」とは?

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保育園の給食は大量調理です。

そんな大量調理のお助けアイテムの代表とも言えますスチームコンベクション

今回は、スチームコンベクションについて書きたいと思います。

 

 

スチコンとは?

私たちはスチームコンベクションのことを略してスチコンと言っています。

 

コンベクションとは、ファン(送風機)によって熱風を対流させる機能のことを指します。オーブンにコンベクション機能があることで食品を均一に焼く(または蒸す)ことができます。

 

スチコンの機能

いつの機械で様々な調理ができることが特徴です。モード、温度、時間をセットし食材を入れると調理をしてくれます。オーブンに蒸し器と蒸し焼き機能が合わさったような機械です。

そんなスチコンには、主に3つの機能があります。

 

ホットモード

ホットはいわゆるオーブンです。焼くことのできるモードです。

  • クッキー
  • ケーキ
  • グラタンの仕上げ

など、焼くことを目的に使用します。

保育園では、おやつ作りに使用することが多いです。

 

温度設定は20~300℃まで設定できますが、160~250℃の間で使うことが多いです。(ラスクを作る時は120℃くらいで焼きます。)

 

コンビモード

使用頻度は割と高めです。こちらは、蒸気を入れながら焼くことで、蒸し焼きのような状態になります。

  • 焼き魚
  • 鶏のから揚げ(蒸気量は低め)
  • ハンバーグなどの肉料理
  • 焼きそば
  • 煮込み料理
  • ご飯を炊く

など、ふっくら軟らかめに仕上げたいものなどや、煮込み料理にも使えるモードなのです。また、水分量を調整することでさっくり焼き上げることも可能です。

主に主菜を作る時に使っています。

温度設定はホット同様20~300℃であり、調理中に入れる蒸気量も0~100%で設定することができます。

 

スチームモード

蒸し器と同じと考えてよいです。

主に野菜の下茹でや、蒸し料理に使います。温度も20〜150℃で設定でき、50℃に設定すると冷凍魚の解凍にちょうど良いです。

ただ、高温で使用することはほとんどなく、これまで使用した中で最も高温状態で130℃です。

 

お湯の沸騰温度が100℃ですので、蒸し器として使用するには100℃でちょうどよいです。

 

 

スチコンの大きさ

業務用であるため、家庭のキッチンに入れることは難しいです。(お屋敷のようなお宅であれば可能ですが…)

 

スチコンそのものも大きさはさまざまあり、~30人分くらいの調理であれば、ホテルパン(天板)が6枚入るサイズのものを使用します。また、それ以上の人数の調理を一度に行うときには、一度にホテルパンが10枚入るサイズのものを使用します。

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ホテルパンのサイズは530mm×325mmが国際基準で定められています。

 

 

一般家庭用はないのか?

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こんな便利な機械ならば家庭でもぜひ使ってみたいですよね。

 

各家電メーカーからも「コンベクションオーブン」「スチームオーブンレンジ」など、様々な名称で商品が出ています。

最近では安価な商品も多く出ておりますが価格帯は数千円~数十万円と幅広く、機能や庫内の広さによって値段が大きく異なります。

 

給食施設にあるようなスチコンに近い機械を購入するのであれば、

  • コンベクション機能
  • スチーム機能
  • できれば2段調理が可能なもの

を選ぶことをお勧めします。

 

 

我が家ではコンベクションオーブンを購入しました

オーブンレンジが壊れてしまったので、これを機会に「コンベクション(送風機能)オーブン」を購入してみました。

こちらのブログでご紹介している焼き菓子などはすべてこちらを使って作っています。

 

残念ながら「スチーム機能」はついていませんので、焼き魚や唐揚げなどを作るとカリッとはするものの、ジューシーさは損なわれてしまいます。

ですが、クッキーやケーキを焼くには申し分なく、正直オーブンレンジよりも使いやすいですし、きれいに焼くことができます。

 

あと、注意してほしいところは、電子レンジとしては使うことができませんので、こちらを購入するときは合わせてレンジも購入する必要があります。置き場所も倍になりますし、レンジがないと何かと不便になりますから…。

(特にオーブンレンジからの買い替えの時には注意してくださいね。) 

 

さいごに

はじめは「スチコン調理って調理している気がしないんだよね…」と思っていました。

ですが、毎日扱ううちにスチコンの奥深さを知ることになりました。

 

スチコンの説明書にはある程度の料理の調理法も記載されていますが、あくまで一例にしかすぎず、温度や蒸気量が細かく設定できる機械でもあるため、さらにおいしく調理するためにはどのようにしたらよいのか?を考えるようになったのです。

日々、より良い給食を作るために試行錯誤をしているのです。

それがまた楽しいのです。