保育園の調理室で働く職員。
園内では、黒子的存在であり、保育士のように表立って子どもたちや保護者の前に出てくる機会はかなり限られています。
それでも、毎日の給食・おやつを担う大切な存在であり、私たちは誇りを持って働いています。
今回は、そんな私たちにスポットライトを当ててしまいます。
保育園の給食室で働くには
実は特に資格を必要とする職場ではありません。
栄養士は設置義務にしか過ぎず、極端な話、無資格の人だけで運営することも可能なのです。
しかし、栄養士の専門知識は食育を行うにあたっては やはり重要であるため栄養士を置く園は圧倒的に多いです。栄養士だけで構成されている保育園もあるくらいです。
栄養士とは
都道府県知事が認定する国家資格です。
厚生労働大臣が指定する栄養士養成施設(短大)を卒業すると、資格を取得できます。
ただ、残念ながら栄養士養成施設は夜学・通信は存在しないため、平日昼間に学校に通う必要があります。現役の学生なら取得しやすいですが、働きながらの通学は難しいため、社会に出てから資格取得を目指せる人はかなり限られてきます。
どんな知識が必要とされるか?
栄養士ということもあって、栄養学に特化した勉強をします。
栄養・食品衛生・給食運営・人体・・・・さらにこれらが細分化されます。
栄養はどうして必要なのか?食生活がどのように影響を及ぼすのか?
→そこから適正な栄養管理・どのように健康を改善するのかの指導法も学びます。
調理実習も行いますが、どちらかと言えば座学の方が圧倒的に多いです。
栄養学のエキスパートですが、調理経験はあまり積めないため、自宅で調理の練習をする必要があります。保育園の栄養士は、調理員も兼ねるため、調理ができる必要があるのです。
調理師とは
都道府県知事が行う調理師試験に合格することによって与えられる国家資格です。
厚生労働大臣が指定する調理師養成施設を卒業すると取得できます。
または、飲食店・給食施設・惣菜店などで2年以上(週4日以上1日6時間以上)調理の経験をし、調理業務従事証明書を発行ののち、調理師試験に合格すると取得できます。
(合格率は約50%です)
どんなことを学ぶのか?
調理をしてばかりいるイメージが強いのですが、座学も行います。
食文化概論・栄養学・衛生法規・食品学・公衆衛生学・調理理論・食品衛生学の7項目です。試験は各項目で6割以上正解しないと合格できません。
そして栄養士と比べると、比較にならないくらいの調理実習をします。
卒業してすぐに調理の現場で働けるように指導されます。
調理員(短時間パート)
資格を持たない人は、調理員と呼ばれることが多いです。
多くが、主婦であり家事経験もあるため、野菜を切ることからお皿を洗うことまでそつなくこなしてくれるお助け要員です。給食調理室の中では、ありがたい存在なのです。
お互いの良いところを生かす
栄養の知識が豊富の栄養士、調理の現場で頼もしい調理師。お互いの良いところが違うので、現場ではお互いの良いところが生かしやすくなります。
少人数での作業でもあるので、協調性も大切なのです。
まとめ
栄養士は、栄養のスペシャリストです。献立作成もこなします。保健所の監査に向けての書類作成も行います。
調理師は、栄養士の献立に沿っておいしく調理をします。(調理法の工夫も考えます。)
調理員は、栄養士や調理師のお手伝いをします。時には給食のアイディアの相談にも乗ってもらいます。
私たちはこのような感じで、働いているのです。