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保育園で給食を作っています

現役保育園調理師が簡単おやつやご飯の紹介はもちろん、子どもとできる食育活動の紹介もしています。

【保育園の基本的な食育】野菜を使った食育活動のおこない方(事前準備から記録作成まで)

今の時代、子どもに生きていくために必要不可欠な「食」の大切さを伝えるために、「食育活動」を未就学児の時から積極的におこなっていくことが推奨されています。

 

私の勤務先の園でもつい先日「スナップエンドウの筋取り」をおこないました。

 

ということで、今回の記事は野菜を使った食育活動のおこない方をまとめて書いてみることにしました。

 

 

はじめに 担当保育士との打ち合わせ

野菜を使った食育活動は、主にクラス担任をしている保育士からの提案で行われることが多いです。保育園は0歳から5歳までの子どもがいますので、年齢に応じた無理のない活動を考えるのは、子どものことをよく知っている保育士となります。

 

保育士は「子どもに野菜を食べてもらいたい」という思いがありますので、

「野菜を作る → 下処理する → 食す」

という流れを子どもたちと共に関わることで、「野菜に興味を持つ子」になるような活動を考えます。

 

年齢によって「できること」も異なりますので、野菜を育てるにしても、その後の下処理のことも考えて野菜の種類をチョイスしてくれます

 

私たち給食職員は、育てる野菜に関しては基本的に口出し手出しはしません。

(時々生育具合を見に行って、子どもたちと話すことはあります。)

野菜が育った後の「下処理のお手伝いや調理」に関しては私たちの管轄ですけどね(#^^#)

 

野菜作りは基本的には保育の活動の一環で行ってもらうのですが、出来上がった野菜を

  • いつ?
  • どのクラスが?
  • どのように下処理したいか?
  • 下処理した野菜はいつ食べるか?
  • 自分のクラスだけで食べるか?他のクラスにもおすそ分けするのか?
  • 味付けはどうするか?

などの打ち合わせを事前に保育士と給食職員で行う必要があります。

というのも、保育活動の流れという問題もありますし、単純に私たち給食職員の業務の流れの都合もあるからなのです。

給食は毎日同じものの提供はしていないため、献立によっては「忙しい日」「そうでもない日」と偏りもあります。元々少人数で切り盛りしている給食室の都合もある程度は考慮してもらう必要もあるからです。

 

 

食育活動に使用する野菜の調達

野菜を使った食育活動は多くの保育園で行われています。食育活動に使われる野菜は以下の方法で調達することができます。

  • 園内で栽培
  • ご近所からのおすそ分け
  • 取引先の八百屋さんから購入
  • 園児自ら社会科見学も兼ねて買いに行ってもらう

 

園内で栽培

敷地の広い園ですと独自に畑を持っている場合もあります。この場合は、季節にあった色んな種類の野菜を育てることも可能です。

各学年ごと担当する野菜を決めたり、畑の区画を決めたりすることで子どもたちも野菜作りに参加し、最終的に「自分たちが作った野菜を食べる」という楽しみにもつながります。

 

街中にある園や、敷地の狭い園では畑を作ることは難しくなりますが、限られた土地でもプランター栽培を行ったり、地域で畑の貸し出しをしてくれる場所を探して野菜作りを行うことも可能です。

 

そして「園芸係」「菜園係」な菜園担当の保育士がいる園もあります。

 

ご近所からのおすそ分け

主に田畑が多い地域の園では、ご近所の農家さんから「どうぞ」とおすそ分けをいただくこともあります。

規格外で出荷はできないけれど…というものが多いのですが、プロの方が作った野菜ですので味は間違いありません

 

取引先の八百屋さんから購入

食育活動に使用する野菜は、「買ってきてはいけない」ということはありません。配達の時間帯によっては、むしろいつも野菜を持ってきてくれる八百屋さんの顔を見る機会にもなるので、「いつもありがとう」の気持ちを伝える機会にもなりますね。

 

園児自らが買いに行く

幼児クラスの子でしたら、「どこでどんな風に野菜が売られているのか?」を知る機会にもなります。社会科見学も兼ねての活動ができますので、一石二鳥です。

 

食育活動の準備

活動内容と日にちが決まったら、給食職員も準備を行います。手ぶらでは何もできませんからね。

 

野菜の確保・下準備

園内で採れる野菜に関してはあらかじめ収穫してもらい、いったん給食室内で洗浄消毒を行います。(幼児クラスであれば「野菜を洗う」ことも子どもにお願いしても良いです。)八百屋さんから調達する場合には、食育活動に間に合うように納品をしてもらうようにします。

 

必要な調理器具などの準備

皮むきなどをおこなう場合は「ピーラー」が必要になることもあります。

下茹での様子も子どもに見せたい場合は、「鍋」「お玉」「ボウル」「塩」「ポータブルコンロ」なども必要になります。

これらの準備は給食職員でないとわからないことも多いので、責任を持って準備していきます。保育士との打ち合わせで「何が必要か?」ということも考えます。

 

保育側への準備の要請

食育活動は基本的に食材の取り扱いを行うため、保育室側でも活動の準備をしてもらう必要があります。例えば、

  • 園児のマスクや三角巾・エプロンなど必要なものの準備(各家庭への持ち物の確認等)
  • 園児の配置(活動をおこないやすいように机をレイアウトするなど)
  • 必要に応じて保育士応援の要請(子どもたちが安全に活動できるように)

などがあります。

 

 

もし突然野菜をいただいてしまった場合

おすそ分けは突然来ます(笑)

この場合は、

  • 急遽食育活動をおこなう
  • 給食室で調理する
  • 園児が持ち帰る

方法がとられます。

 

急遽、食育活動

保育と給食両者の時間がとれる場合には、食育活動に取り入れます。しかしこの場合は準備時間がほぼないこともあるので、活動を上手におこなわないとグダグダになってしまうことも…💦そうならないためにも、担任保育士主導で行ってもらうことが多いのですが、野菜の知識や、下処理のコツなどは私たちの方が詳しかったりもしますので、なるべく一緒に立ち会うことにしています。

 

給食室で調理

保育の予定と合わない場合は、そのまま給食室で調理をすることもあります。もちろん予定外の食材ですので、献立との兼ね合いによっては「調理できない」場合もあります。その場合には、園児に分けて持って帰ってもらうこともあります。

 

園児に持って帰ってもらう

献立との兼ね合いで給食室で調理できない場合もそうですが、「量が多すぎてさばききれない場合」も園児に持って帰ってもらいます。

 

また、給食で使用することのない食材に関しても持って帰ってもらい、家庭内で調理するか否かの判断をしてもらうことになります。

 

実際に野菜を使った食育活動を行う

保育士と給食職員とでの打ち合わせ、準備する野菜や器具の準備ができている状態でいよいよ「食育活動」を行います。

 

私の勤務先では以下のような流れで活動をおこなうことが多いです。

 

1,担任保育士からのお話

まずは子どもたちの気持ちの切り替えの必要があります。食育活動は場合によっては刃物の使用や、鍋の使用などもあります。遊びや他の活動の延長では危険であることも少なくありません。

ですので、それまでの活動に一区切りをつけてもらう意味でも担任保育士に場を仕切ってもらう必要があります。

 

そして始めのあいさつ「お願いします」も忘れずに行ってくれます。

 

2,給食職員からのお話

子どもたちが「食育活動をおこなう!」と意識付いたところで、給食職員にバトンが渡されます。ここからは私たちが主体となっての活動をおこないます。

活動そのものと対象園児の年齢によって話し方も異なってきますが、共通して「幼い子どもが相手」であるので、

  • 話は手短に(簡潔に)
  • 難しいことは話さない
  • 絶対にしてはいけないこと(危ないこと)はしっかり伝える
  • 大きな声でゆっくりと話す
  • 園児の顔を見て全体に話しかけるように
  • 実際にお手本を見せてわかりやすく説明

を心がけてお話を進めます。

 

3,実際に園児と活動をおこなう

子どおたちがけがをしないように注意を払いながら実際の活動をおこないます。

「わからないことがあったら先生たちに聞いてね。」

と伝えておきますと子どもたちは安心してくれます。そして本当に遠慮なく「これどうする?」「わかんない。」「先生教えて~。」と聞いてきてくれます(笑)

 

4,活動が終わったら締めのあいさつ

野菜の下処理を行ってもらった場合は、その場でゆでて食べることもありますし、給食のおかずとして提供する場合もあります。

どちらの場合も、活動が終わったら「ありがとうございました」とあいさつをして終わります。

 

一連の活動の時間は、子どもたちの集中力のことも考えると15分から30分以内で行うのが良いように思います。

 

5,実際に食べる姿を見る

子どもたちにとっては、「野菜を食べる」までが活動です。

自分たちが育てて(購入してきて)、下処理を行った野菜を実際に食べる…。その姿を私たちも見守ります。

 

職場の園では、最近「スナップエンドウの筋取り」を行いました。

  • 緑の野菜であること
  • この日は塩ゆでのみで食べたこと

などのことから、子どもたちの反応が少し心配でもありました。

しかし、様子を見に行くと意外にも「おいしいよ!」「さやが甘くておいしい!」などの嬉しい反応だったのです。

 

ですので、活動は給食職員として「食べるところまで見る」ことはお勧めです。

 

 

食育活動の記録をつける

食育の活動をおこなったら「活動内容の記録を残す作業」も行います。こちらは事務的な作業となります。

 

なぜ記録を残すのか?

  • いつ
  • どのような
  • ねらい
  • 内容
  • 活動をおこなって気が付いたことや感想、反省点など

という記録を残すことによって、今後の活動の参考になります。万一給食職員の入れ替えがあった場合でも「過去にそのような活動をおこなっていたのか』がわかりやすくなり、引き継いだ給食職員も以後の活動をおこないやすくなります。

 

そして、監査時に自治体の職員が「どのような食育活動をおこなっているかの確認」をするために記録を見ることもあります。この場合は、活動の記録が残ってないと「食育活動を積極的におこなってくださいね」と指導されてしまうこともあります。

せっかくおこなった活動は、しっかりと記録に残すことが基本なのです。

 

 

さいごに

食育活動は「子どもが食に興味を持つこと」を目的におこなわれる活動です。過去にもこのサイトで食育活動の内容について記事にしたこともありましたが、今回は基本的な食育活動の流れについて細かく説明させてもらいました。

www.hoikuenchouri.work

www.hoikuenchouri.work

「たのしい」ことも大事ですが、「活動を通して子どもに何を伝えるか」をよく考えて食育活動をおこなうことができると良いですね。