3月も終わりに近づき、各保育園でも卒園式を終えたところが多くなってきたと思います。私の勤務先の園でも先日卒園式が行われたばかりです。
乳児クラスの頃からの付き合いの子ばかりでしたので、数年で立派に成長した姿は感慨深いものがあります。
今回は、そんな思い入れのあるクラスの「リクエスト献立」のご紹介です。
リクエスト献立とは?
私の勤務先の保育園では、毎年3月に年長クラスの子を対象に
『保育園での思い出のある給食・もう一回食べたい給食』
を聞き取りし、3月中のどこか1日に「年長児リクエスト献立の日」を設けています。
事前に栄養士さんが年長児の保育室に赴き、子どもたちとの会話の中から献立を決定させています。
子どもたちはどのようなものが好きなのか?
子どもたちは意外と(?)和食が好きな子が多いです。
例えば、
- 煮物(全般)
- 焼き魚
- 煮魚
- うどん
など、和食の中でも割とシンプルなものが好まれる傾向にあります。
洋食物も人気が集中し、
- オムライス(給食では提供したことがありませんが…💦)
- ハンバーグ
- カレー
などで、まあ子どもが好きな食べ物の代表のようなものが並びます。
令和3年度年長児リクエスト献立が決定!!
数ある「食べたい給食」の中から選ぶことのできるのは1日分のみです。
結果は多数決で決まってしまいますが、なるべくなら多くの子が喜んでくれる献立での提供をしたいと考えています。
子どもたちの意見をもとに決めることのできるものは、
- 主食(ご飯・麵・パンなど)
- 主菜(主のおかず)
- 副菜(サラダやあえ物など)
- 汁物
- 午後のおやつ
の5種です。
主食
- うどん
- パン
- チキンライス
- オムライス
などの意見が出ましたが、この中から『チキンライス』に決定しました。
ただし、オムライスと言ってくれた子の希望も取り入れ、『炒り卵入りのチキンライス』としました。
(園児の人数分を卵で巻くことは出来かねるので、炒り卵を入れることで許してもらうことにしました 笑)
主菜
- 焼き鮭(子どもの意見にしては渋い 笑)
- レバー(意外ですね)
- カレー
- ハンバーグ
- 麻婆豆腐
- 煮物
などなど、意外と渋いものも候補に挙がりましたが、主食とのバランスと、鉄分強化も踏まえて『ほうれん草入りハンバーグ』にしました。
副菜
- 春雨サラダ
- 切り干し大根
- 白菜のゆかり和え
洋食の組み合わせ…ができそうな副菜の名が上がりませんでしたが、希望している子が多かったことから、『白菜のゆかり和え』に決定しました。
汁物
- みそ汁
- コーンスープ
- わかめスープ(中華風)
- コンソメスープ
子どもたちもいろいろ言ってくれましたが、汁物に関してはかなり票が割れたとのこと。というより、汁物が好きな子が多く、「なんでもいい!!」といった感じでした。ですので、主菜との兼ね合いで『キャベツとベーコンの洋風スープ』とすることにしました。
おやつ
- 果物
- ケーキ
- クッキー
と、かなりざっくりと出てきました(笑)
他にもおやつは、「蒸しパン」「ゼリー」「ふかし芋」などいろいろあるのですが、焼き菓子の人気が高かったです。
この中からは、「季節のもの」「焼き菓子」を組み合わせて、『イチゴのロールケーキ』に決まりました。
実際の給食がこちら
子どもたちの意見がギュッと詰まった『リクエスト給食』です。
- ほうれん草入りハンバーグ
- 白菜のゆかり和え
- キャベツとベーコンのスープ
- 炒り卵入りチキンライス
【おやつ】イチゴのロールケーキ
(イチゴのロールケーキの写真を撮り忘れました…(´;ω;`)
子どもたちの反応
- 給食おいしかったよ、ありがとう!
- 『ゆかり和え』が一番おいしかった
- 全部ぜ~んぶおいしかったよ
- 全部食べっちゃったよ
など、うれしいお礼がたくさん給食室まで届きました。
ゆかり和えの作り方
ハンバーグを始めとし、子どもが好きであろう献立の中でも、「ゆかり和えが一番」と言っていた子も何人かいました。そんなゆかり和えの作り方をこっそりお教えしましょう。
- 白菜・きゅうりを軽くゆで、水気を絞ってボウルに入れる。
- 1に砂糖:酢(1:2)をいれ、ゆかりをお好み量振りかけて混ぜ合わせて出来上がり。
簡単です(笑)
甘酸っぱい味に仕上がりますが、なぜか子どもたちに人気の一品です。
私は、『なます』をこの味付けで食べることが好きです。
さいごに
毎年恒例となりました、『年長児のリクエスト給食』ですが、子どもたちの意外な好みを知ることもできるので作っている私たちにとっても面白い行事です。
保育園では、これから先子どもたちが生きていくうえで「食べることが大好きな子」になるように自園調理をおこなっています。自園調理の良いところは、
- 出来立てを食べることができる
- 生活の中で「香り」を感じることができ、食に対する興味が持てる
- 作っているところを見ることができ、目からの情報も得ることができる
- 作っている人と直接話すことができ、食に対する感謝を伝えることができる
などなど、子どもたちの成長にとって良いことが多いのです。
小学校以降ですとセンターからの配食となってしまうので、保育園のうちにいかに『食に興味がある子に育てていくか』が重要となります。
私たちが作った給食を食べて「多くの食材に興味を持って」「様々な味付けのものを食して」そして何より「食べることが大好き」になってくれたらうれしく思います。
この日の給食終了後には年長児さんに、「これからもたくさんのものを食べて大きくなってくださいね。」と伝えました。